熊本競輪「第74回JC×HPCJC」は6月27日、最終日を迎え、12RでハイライトのS級決勝が争われた。
大一番は誰が勝ってもおかしくない激戦区だったが、鐘前から一気にかました中石湊を追った嵯峨昇喜郎(26=青森)が番手差しを決めて快勝。2着は3番手から捲り追い込んだ東矢圭吾。3着には内→中を伸ばした山岸佳太が突っ込んだ。
A級決勝は4番手2角から捲った岩井芯が8Vを手にした。
優勝した嵯峨がマスコットキャラのファイ太くんとパチリ
会心‼「作戦通り」
号砲とともに中石が飛び出し正攻法につく。嵯峨―島川―東矢―岩谷―山岸―河村が続く隊列。山岸―河村が抑え、東矢―岩谷がイン切り。島川は岩谷後位に切り替える。下げた中石が鐘前から全速ダッシュ。離れながらも必死に追いすがった嵯峨が、真後ろから捲り追い込む東矢の動きを見据えて番手差しを決めた。
「作戦通り。中石がSを取り、下げてからのかまし。中石の踏み出しが凄くて離れたけど、何とか追い付けた。全部やってくれた中石のおかげ」。23年6月の宇都宮以来、2度目のS級Vに嵯峨は手放しの喜びようだった。近況は充実一途。前々回の富山では2年ぶりにGⅢ優出を果たし、3場所連続での決勝進出だった。
競輪はメンバーと展開がモノを言う。嵯峨にとって中石の存在は頼もしい限りだったに違いない。初めて参戦した当地で結果を残した嵯峨は「今回は中石がいたから勝てた。次は自力でアピールする」とキッパリ。弾みをつけた嵯峨が次回の京王閣GⅢ(7月14~16日)で再び躍動する。
◇嵯峨 昇喜郎(さが・しょうきろう)1998年(平10)12月26日生まれの26歳。18年7月、函館競輪場でデビュー。23年全日本選抜(高知)で4度目のGⅠ出場。S級優勝は23年6月宇都宮FⅠ以来2度目。533走132勝。1㍍75、76㌔。血液型A。